AI 教育コンパニオンロボットを開発する台湾のスタートアップ NUWA Robotics(女媧創造)は21日、既存投資家の Foxconn(富士康/鴻海)がリードしたシリーズ B ラウンドで約2億ニュー台湾ドル(約9.2億円)を調達し、時価総額が24億ニュー台湾ドル(約110億円)に達した。

この資金は、クロスドメインサービスロボットのアプリケーション開発に加え、海外事業開発、AI 研究開発エンジニア、SLAM(不慣れな環境でもロボットが経路を描けるようにする)、ソフトウェア研究開発エンジニア、SRE(ソフトウェアを管理システムとして利用し、問題解決や運用業務を自動化する)、フロントエンドおよびバックエンドの研究開発エンジニア、製品メンテナンスエンジニアの募集など、グローバルな事業領域の積極的な拡大と採用チームの拡充に充てられる。

 

設立5年足らずで、売上4億円を突破

2016年の創業以来、NUWA Robotics はサービスロボットの分野に特化し、家庭での同伴、教育・学習、ビジネスサービスなど、さまざまな体験を提供できるようになった。

2018年から2019年にかけ、NUWA Robotics は教育用ロボット「Kebbi」でクラウドファンディングで40万米ドル以上調達する記録を打ち立て、国内外の1,000以上の学校が補助教材として導入できるようにした。その結果、設立から5年も経たないうちに、年間1億ニュー台湾ドル(約4.6億円)を超える売上を達成した。

 

 

 

 

近年、NUWA Robotics はクロスドメインサービスロボットやスマート製造産業用ロボットなどの製品ラインを拡大し、AI RaaS(Robot as a Service)ソリューションも開始した。同チームは、市場が「人手不足」や「既存のオートメーションに対する経験の乏しさ」といったペインポイントに直面しているからこそ、ハードルの低いノーコード開発を実現し、同時に Azure OpenAI と連携し、「KebbiGPT」の AI 付加価値サービスを追加することで、ロボット製品をより豊かな個性とインテリジェントなインタラクティブ体験にするインタラクティブ編集プラットフォーム「NUWA Roflow」を2023年前半に発表すると述べた。

NUWA Robotics が創造した AI ロボットは、教育、医療、製造の分野に進出して成功を収めている。

現在までに、日本、韓国、北米、中国、香港、東南アジア、中央アジアに配備されている。

NUWA Robotics が生み出した AI ロボットは、現在、教材や対話型コンパニオンとしてだけでなく、ヘルスケア、食品・飲料、スマート製造業などの業界の大手ブランドにも採用されている。

例えば、高齢者介護ロボット、レストランデリバリロボット、自動生産システム連携ロボットは、台湾域外のいくつかの国で導入に成功している。例えば、韓国市場では、高齢者介護サービスを専門とする企業と提携し、AI ロボットを通じて介護を受ける人の伴走ニーズに応えるだけでなく、ロボットに装着された IoT デバイスが人体のさまざまな値を感知・監視し、遠隔医療サービスとしても機能する。

さらに、日本市場の運輸・物流業界への応用にも成功しており、AI ロボットとデバイスに搭載された血圧計や体温計を利用して、ドライバーの出勤前の身体数値をチェックし、異常があれば会社に報告する(運行前点検)。運転免許証のスキャンや顔認識と組み合わせて自動出勤システムを形成しており、会社が人件費を削減し、業務効率を向上させるのに役立っている。

日本では、ドライバーが AI ロボット、血圧計、体温計を使用して運行前のヘルスチェックを行い、顔認識で自動出退勤を行う。
NUWA Robotics(女媧創造)

NUWA Robotics の創業者兼 CEO Leo Guo(郭劉宗)氏は次のように述べている。

我々は、ロボットをスタッフの延長と見なしており、ハードウェア、ソフトウェア、AI において優れた実用性を持つサービスロボットに幅広いニーズに対応する力を与え、業界の労働力不足問題を緩和するだけでなく、サービスの質を向上させ、企業や事業者がマンパワー資源からより多くの価値を引き出せるようにする、サービスとしての RaaS ロボットのコンセプトを提案している。